• 日本の医師免許を取得したい外国人のための情報サイト
循環器内科を目指しています。メキシコと日本の関係をさらに築きたい。

1.簡単に自己紹介をお願いします。

荒井実マルコと申します。メキシコ生まれの日系人になります。私は3世代目の日系人になるんですけれども、団地で生まれて幼稚園から大学までずっとメキシコに住んでました。医師国家試験を目指すために日本に来ました。メキシコでは、モレロス州立自治大学医学部を卒業しました。

2.医師を目指したきっかけを教えてください。

母が幼い頃に亡くなってしまったんですけど、私の祖父が医師だったという話をよく聞いてまして、祖父は患者さんに優しく、患者さんに慕われてたっていう話を聞かされていました。祖父のような医師になれたらいいなと思って医師を目指すことにしました。医学以外はあまり興味なかったので医学を目指しました。

3.何故日本で働きたいと思いましたか?

医学6年目の時に、順天堂大学で2年間のローテーションをさせていただくことができました。その中で循環器内科を2週間視察させていただきました。やはり日本の医療とメキシコの医療のレベルの違いレベルの違いに気づきました。日本は最先端医療なので、日本の循環器内科の先生方がメキシコに医療指導に行かれていたということもあり、私は日本で学んで、いずれは日本とメキシコで医療の共用をし、先ほどもサイモン先生が言ってたように、メキシコと日本の関係を築けるきっかけになればと思っています。

4.日本での医師として今後のキャリア、目標について教えてください。

日本で循環器内科になって、その知識をメキシコに共有し、日本から受け取るだけではなく、今度メキシコからも日本にも何かを与えるような手伝いをさせていただければと思っています。

5.日本の医師国家試験の準備は大変ですか?

正直めちゃめちゃ大変です。順天堂大学で研修ローテーションさせていただいた時に、上級医の先生方や後期研修医の方々からお話をよく聞かせてもらいました。先生方から「普通に頑張れば大丈夫だよ」ということを聞いてきたので、私は普通ならば大丈夫というメキシコ的な考えで来てしまったんですね。実際、日本の医学生を見てると、普通に10時間~12時間勉強してるんですよね。メキシコではそれはまずあり得ないんですよ。頑張っても6時間くらいです。メキシコでは、自己管理や自分のリフレッシュも大事だというのがあるので、日本も同じなんだろうと思っていたら実際は違いました。過去問も膨大な量で、日本人の医学生は、それらを全部、1周目、2周目、3周目に何回往復できるかっていうこ勉強をしていてとても驚きまして。私はそのような勉強方法で凄く苦労しました。

6.日本の生活で困ったこと、戸惑ったことはありますか?

メキシコの日系人とか、日本からメキシコに移住した日本人の人たちとお話させてもらう時は敬語なんて殆ど必要なかったんですよ。みんな仲間だからみたいな感じで、凄くフレンドリーな感じでお話しさせてもらったんですけど、日本に来ると、やはりその社会的な面が凄く大事じゃないですか。だから敬語は今でも凄く戸惑っています。上級医の先生、特に森先生にはいつも失礼なことを言ってるんじゃないかという不安があります。絶対、間違いも多いと思うんですけど、それから学んでいこうと思ってます。

7.日本の文化について驚いたことがありますか?

まず、その勉強の方ですね。ある程度メキシコに住んでいる家族からは聞いてたので、それほど新しいということはなかったんですけれど、その勉強に対する熱心さや貪欲さが全く違うんだなっていうのを感じます。だからそれに追いつくために、自分は日本人の2倍~3倍は頑張らないといけないんだなっていう気づきと反省がありました。

8.今後の抱負等何かありましたらお願いします。

やはり国家試験を合格して、順天堂で研修医をさせてもらえたら、たくさん学ぶことがあると思うのでいます。日本語、英語、スペイン語が話せるということも生かして、私が得た経験知識を他の外国の方々と共有できればいいと思います。メキシコから日本に来て医学を目指すっというのが今までにないらしいんです。在メキシコ日本大使館にも相談しましたが、そのような経験の先生はいらっしゃらないっていうことでした。だから、この道を切り開いていく役目になるのかなって、ちょっと自分で感じています。今後、メキシコに住んでいる日系人の方に、もし僕が当時相談できなかった悩みや不安などを、相談できる存在になればと思ってます。